長寿の秘訣~愛する祖母へ

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    長寿の秘訣~愛する祖母へ

    2023年07月05日

     

     

     

     

     

    【備忘録:長文です】

    祖母、100歳💛

    若くて、かわいいでししょ!

    大大好き。

    若い頃はもっと美人だったのよ。*画像の日付は間違えてます(笑)

    彼女の食生活や趣味が凄すぎて、若く元気で長生きするための

    「生きる教科書」だと思っています。

     

    今の私があるのは、祖母の影響が、大変、大きく大きくあるんです。

    感謝とともに、後悔も強く残る。

     

     

    栄養学の知識も全く無い世代なんだけど、祖母の食生活ってすごかった。

    「健康に生きるにはどうするのか」本能できっとわかっていたのね。

    欠かさないルーティーンがあって。

    自分で作った自家製の味噌、自家製の糀調味料、ゴマ、牛乳、かつお節、鮭や青身魚、たっぷりの自分で栽培した野菜の煮物、毎日海藻たっぷり、カフェインほぼなし、自分で栽培して作ったドクダミ茶や牛蒡茶、甘いものはほぼ果物と、甘さ控えめチョコくらい。白砂糖は使わないし。徹底した人工添加物を使わない食生活。

     

    そのほか、若返りや抗酸化作用のあるもの、免疫力をつけるものなど毎日必ずルーティーンで食べていました。

     

    フレンチ好きの祖父と一緒に、三笠会館やオークラの桃花林(中国料理)にもよく一緒に行ったのだけど、それは孫の私達との時間共有のため。

     

    長野県の物凄く有名な超超がつく生粋のお嬢様なのだけど、湘南に引っ越してから、大きな庭がいくつもある家で、祖父と一緒に土づくりから手がけて、あらゆる野菜や果物を作っていました。

    全くの趣味で。

    ゆえに、手作りジャムなどを保存するために、冷蔵庫が家に沢山あった(笑)

     

    ですので、私は東京の人ですが、完全無農薬の手作りの素朴な野菜や果物の味をしっかり学ぶことができました。

    種も皮も食べちゃうの。苦味だっておいしいんですよね。

     

    そして、いろいろ作る。

     

    結構大変で、梅の季節は数千個の梅ができて(素人とは思えない量なんです、なんせ庭が凄く広いから)、ゴミ処理から梅酒、梅煮、カリカリ梅、蜂蜜漬け、梅ジャム作って…、

    その次は、夏みかんの季節がやってきて、いんげん、ナス、かぼちゃ、キュウリ、そして、ビワとか、キウイもあったなあ、温州みかんもすご~くいっぱいできた。ジュースも沢山作りました。葱もあった。柿も渋くておいしかったなあ。干し柿を祖母が作ってくれて、沢山干して…。

     

    ほかにもあったけれど、忘れちゃった。

     

    一年中、何かしらを作っていたので、大変だったけれど、キウイや温州みかんは当然のように皮から食べたりして。皮も柔らかいんです。

     

    とにかく自然を大切に、流通用に作らない味とは、こんなに違うかと。

    素朴で渋みもあり、苦くもアリ、当然酸味もあり。

    かたや都内の、たとえば千疋屋の果物の手をかけた味は、とてもくちどけがよく。父の仕事の関係で、いただきものが物凄く多かったので、高価格の贅沢フルーツも沢山いただいたので、同じ果物なのに、その違いは子どもながら、興味深かったです。

     

    「手をかける」ことは両者とも同様ですが、手のかけるベクトルが違うと、仕上げにこれほど違いがでるのか。

     

    その比較を常に感じながら育つことができたことが、お陰様で現在の食への感覚の根底にとても役立っているのだと思っています。

     

    祖母はたくましい人でもありました。

    長野県の蓼科に祖父母の別荘があって、毎年学校の休みには行っていて、祖母から、

    そこで教わったこと。

    「朋ちゃん、遭難したら、この草が生えているほうが南なのよ」などなど、

    え、遭難するの?

     

    「ヘビに会ったら、こうして退治するのよ、エイッ」

    などなど。え?ヘビ?マジで?(笑)

     

    笹笛の吹き方とか、食べられる実はどれとか…。

     

    子どもの時の、自然に触れる体験って、忘れませんね。

     

    ヨモギの時期は、ヨモギ採りをして、餡子も祖母が手作りして、ヨモギ餅を皆で作りました。

    祖母の餡子は、甘さがとにかく超がつくほど控えめなので、子どもの私は、ちょっと物足りないなと思ったんだけれど、今では、あの味が懐かしく、もう一度食べたいなあと思います。

     

    祖母が作る、とろみのある牡蠣のシチューや、手打ちのコシが強いうどん、リンゴも入れたキントン、胡桃味噌…。

     

    そして、

    「朋ちゃん」と呼んでくれた彼女の声のトーンが今もよく思い出されます。

    とにかく祖母は私に優しかった。

     

    ひ孫を抱かせてあげなかった私なのに、常にほめてくれた唯一の人。

     

    祖母のところへ遊びにいって、帰る時は「もう帰っちゃうの」と見えなくなるまでずっと私達に何度も手を振っていました。

     

    最後は施設に入っていましたが、

    「ムードメーカーでいらっしゃったんですよ」「品が良い方でしたね」

    と施設の方がおっしゃっていました。

     

    世界がコロナ禍になって、会えなくなって、

    100歳の誕生日もお祝いしてあげられませんでした。

    一昨年コロナが少しだけ落ち着いた頃に、施設としては、面会に行ってもよくなったのですが、それでも、私たちが面会に行って、施設の方に何かご面倒かけたらいけないから、「完全に終息されるまで待とう」ということになり、祖母に会わずにおりました。

     

    会いに行けばよかった…。

     

    祖母が亡くなる日、私はその前後、物凄く忙しくて。

    祖母の声が聞きたくて、電話をしようと思いながら、何日も過ぎてしまっていました。

    その日も「今日こそかけよう」と思いつつ、過ぎていた。

     

    夜に、施設から連絡があり。

    慌てて駆け付けたけれど。

     

    祖母は、その日もきちんとしっかり夕食を食べて、そして、自分の部屋へ自分の足で戻り、

    いつもの椅子に座って、テレビを見ながら、ス~ッと、そのまま。

     

    手をきれいに組んで、品よく椅子に座り、最後まで“お嬢様”として、ぶれていなかった(笑)

     

    101歳でした。

     

    誰にも迷惑をかける要素を残さず。

    孫の私のことも、忘れちゃうこともなく。忘れっぽくなったけれど、頭もしっかりしていて。

    自分の足で部屋に戻り…。

     

    凄いなあ。アッパレ。

     

     

    先日、3回忌の法要をしました。

    彼女が亡くなって2年がたった。

     

    これを書きながらも後悔もあって涙が出てしまいます。

     

    あの日、夕食で私が激辛カレー(疲れていたのでシャキッとさせたくて食べたの覚えている)を食べている時は、まだ彼女が生きていたのに、カレーなんか食べていないで、電話をすればよかった。なんで、カレーなんかのんびり食べていたのよ。ほんとに。

    感謝を言えませんでした。

    ごめんなさい。ごめんんさい。何度謝ってもね。

     

    そして、本当にありがとう。

     

    祖母は私が出演したメディアを見るのを楽しみにしてくれていて、

    NHKの「チコちゃんに叱られる」を見て

    面白かったと言っていたらしく。

    母が「見てたんだね、良かったね」と慰めてくれたけれど、いやいや、ちゃんとした孝行?何もしてない。

     

    世界一のおばあちゃんです。

    いつも優しく、生き方をみせてくれて、ありがとう。

     

    昨年も一昨年も、何か書こうと思ったけれど筆が進まず、やっと3回忌で書く気持ちになりました。

     

    会いたいなあ、どこかで会えないかなあ。

     

     

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